知る人と知る行者にんにくは春に採れる山菜の一つです。そこで今回は、安全に行者にんにくを採りに行く方法についてまとめてみました。
寒い地方で地元民に人気の行者にんにく
行者にんにくは「アイヌネギ」とも呼ばれ、その名の通り、北海道や東北地方といった寒い地方で採れる山菜です。採取できるのは、3月から6月の雪も残る高い山の中となります。
行者にんにくが採れる場所は、地元の人に尋ねてみるのが一番です。しかし、日々、自然の中で採れる行者にんにくの数は減っていますから、地元の人に聞いても教えてもらえない場合もあるでしょう。そんな時には、自力で探すしか見つける方法はありません。
行者にんにくの採取場所の把握
行者にんにくは、湿地に群生する特徴があるため、まずは川など水辺付近を探しましょう。
また日当たりが良く、木々がおおい茂っていない場所を見てみると、ぐんぐんと伸びた大きな行者にんにくを見つけられることも多いものです。ただし、日当たりのいい場所は急傾斜になっている場合も多いので注意が必要です。
また行者にんにくが旬を迎える5~6月あたりは、多くの行者にんにくがすでに採られてしまっている場合もあります。そうなると、崖の近く、雪が多く残る足場が悪いところなど危険な場所にしか残っていない場合もあるものです。くれぐれもそういった場所で山菜取りをしないようにしましょう。
さらに春の山はヒグマが出没する危険性があります。ヒグマよけの鈴をつけ、周囲の様子を見ながら採取できる場所を探しましょう。
行者にんにく 採取方法を守る
行者にんにくが見つかったら、さっそく採りたいですが、いくつか採取する際の注意点があります。
まず、去年採った場所では採らないようにしましょう。なぜなら行者にんにくが食べられるぐらいの大きさに育つまでは6~7年かかると言われているからです。できるだけ場所をずらし、採取するように心がけます。
また行者にんにくを根元から採るのはさけ、はさみで茎を切ってあげましょう。根元から抜いてしまうと、もうその株は死んでしまいます。また葉が一枚だけの行者にんにくではなく、2枚生えている物を採るようにすると、株を弱らせることを避けられます。
そして最後に、自然の行者にんにくの数は限られています。自分で消費できる分だけを採取するようにし、ご近所さんに配ったり、食べきれない量を採取したりすることは絶対にやめておきましょう。
行者にんにく 似ている毒草に注意
春の山には、多くの山菜、草木が生息しています。行者にんにくが旬を迎える時期には、似たような毒草が生えている場合がありますので注意が必要です。
行者にんにくに似ている毒草は、イヌサフランと呼ばれる草です。イヌサフランの草は、葉の枚数が多く、葉の枚数が1~3枚の行者にんにくとは異なります。
行者にんにく似、イヌサフランは猛毒
イヌサフランは猛毒です。食べると次のような症状が出ます。
植物全体に「コルヒチン」という猛毒を含んでおり、少し食べただけでも下痢や嘔吐、皮膚の知覚減退、呼吸困難などの症状を引き起こし、重篤な場合には死亡することがあります。 この毒は、加熱調理しても変わりません。
引用https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sh-helth-k/inusahuran.html#:~:text=%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AB%E3%80%8C%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%92%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86,%E3%81%A6%E3%82%82%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%
加熱しても毒素は変わらず、死に至る場合もあるので注意が必要です。
行者にんにくとイヌサフランの見分け方
見分け方は、葉の付き方です。
また行者にんにくの葉は茎に近づくにつれて細くなっていますが、イヌサフランはなっていませんので、葉の形にも注目しましょう。
また球根も違います。
画像で見比べて見ましょう。
引用https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sh-helth-k/inusahuran.html#:~:text=%E6%A4%8D%E7%89%A9%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AB%E3%80%8C%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%92%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86,%E3%81%A6%E3%82%82%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%
イヌサフラン以外にも毒草ではないですが、すずらんも比較的似ている植物です。臭いを嗅いだときに、にんにく臭がしなければ、行者にんにくではありませんので、採取することはやめておきましょう。
行者にんにくと毒草を間違えて食べてしまい、死亡する事故が毎年起きています。くれぐれも毒草には気をつけ、見分けられない場合には見分けができる人を同伴して山菜取りに挑みましょう。
行者にんにく採りの注意点 まとめ
・寒い地方に生息する山菜である
・行者にんにくは湿地の日当たりの良い場所に群生している
・採りすぎに注意し、去年採った場所では採らない
・行者にんにくに似ているイヌサフランは毒草である
こんなかんじです。
行者にんにくを自らの手で採りに行きたい!と思っている人も多いことでしょう。けれど、山菜取りには注意したいポイントもありますから、しっかりと行者にんにく採りの注意点を頭に入れておきましょう。
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