比較的栽培が簡単で、それでいて高額で取引されることの多い山菜。行者にんにくも山菜であるため、栽培は簡単で高額で売れるだろうと考えられています。本当のところはどうなのでしょうか。
行者にんにく,栽培を始めてから8年間は収入がない?
行者にんにくの栽培を始める前にまず知っておいてほしいことがひとつあります。それは、行者にんにくが食べられるような十分な大きさになるまでは、約8年間かかかるということです。
そのため、行者にんにくの栽培を始めてから8年間は、行者にんにくから得られる収入はありません。もちろん毎年、新しい株を植えていくのですが、最初の年から儲かるとは言えない山菜なのです。
現在、行者にんにくの栽培をしている農家さんは、30年など長きにわたり頑張っている場合が多くあります。けれど、新たに行者にんにくの栽培を始める人が少ないのは、行者にんにくが育つのに時間がかかる、ということが理由になっているのかもしれません。
行者にんにく、栽培には手間がかかる
山菜の多くは、栽培には手間がかからない、と思われています。しかし行者にんにくは、時間をかけて手作業で丁寧に育てていく必要のある山菜です。
例えば、行者にんにくは収穫までに時間がかかりますから、ビニールハウスで育てる場合が多くあります。育ちを良くするためには、毎日の温度管理を徹底しなければいけません。とくに旬を迎える5~6月の時期は、株が育ち過ぎてしまう場合もあるため、温度調節をして育ち具合をコントロールしていきます。
また行者にんにくの収穫はもちろん手作業。葉の枚数を見ながら、適度な大きさの行者にんにくを一つずつ収穫していきます。
また、収穫した行者にんにくをお客様の手に取ってもらうためには、根元についた泥や虫を冷水で落とす作業が行われます。そして葉を傷めないように、丁寧に箱詰めしていくのです。
行者にんにくの栽培はもちろん、収穫後も非常に手間がかかることが分かるでしょう。
行者にんにく、希少価値が高く需要はある
天然の行者にんにくと言われる標高の高い山の中で採れる物は、日々減ってきています。これは、人間が採りすぎてしまい、さらにその採り方のせいで株が死んでしまったから減ったとされているのです。
以前は山菜として山の中で見つけられた行者にんにくが見つからなくなってきた、とだけあり、栽培されている行者にんにくの価値も高くなっています。
ただし、北海道や東北地方の自然の中で育った行者にんにくに比べ、栽培された行者にんにくは茎が細くなってしまっている場合も多くあります。また遠くへ運ばれた行者にんにくは、山で採ってきた物に比べ、葉に元気がありません。
それでも自宅で行者にんにくを楽しめるということで、毎年行者にんにくが販売されるのを楽しみにしているファンは多いようです。
行者にんにく栽培、どうやったら儲かるか?
行者にんにくが儲かるかどうかは、その栽培の規模によるでしょう。小さな規模で栽培を行っても、自分たちや地元の人たちの消費にとどまってしまいます。
行者にんにくを大規模で栽培し、ビニールハウスを使って、毎年一定の行者にんにくを収穫することができれば、儲けが出ると考えられます。行者にんにくの栽培一本でやっていこうとすると最初はなかなか大変かもしれませんね。
行者にんにくの栽培を考え始めたら、まずは自分で消費できるだけでも、8年待てるか、ということがポイントとなりそうですね!
まとめ
・行者にんにくは収穫できる大きさになるまで8年かかる
・ビニールハウスの温度管理や細かい手作業で栽培を行う
・地元の人だけでなく、全国で需要がある
・大規模で栽培を行わなければ、なかなかも儲けは出ない
こういったかんじです。
行者にんにくは山菜の中でも、育てるのには時間も手間もかかります。栽培を始め、儲けを出すまでには大変な苦労が待っているのかもしれませんね!
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