「風立ちぬ」菜穂子が「来て」と言ったのは2回?来てと生きての違い【考察】 | ErimakeeニュースWEB

「風立ちぬ」菜穂子が「来て」と言ったのは2回?来てと生きての違い【考察】

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ジブリ映画「風立ちぬ」のヒロイン、菜穂子は主人公・堀越二郎に向かって「来て」と2回言う予定でしたが、実際には1回しか言っていません。今回はその解釈について解説していきます。

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風立ちぬで菜穂子が「来て」と言ったのは夜の営み

当初の予定通り、1回だけ菜穂子は堀越二郎に向かって「来て」と言いました。

 

菜穂子が堀越二郎に「来て」と言ったのは「夜の営み」の誘いのためだと解釈されています。

 

 

菜穂子が「来て」といった場面は、黒川夫妻の家で結婚式をあげた夜、菜穂子と堀越二郎が布団に入り眠りに着こうとするシーンです。一旦結核を患っている菜穂子を気遣い、躊躇する堀越二郎は電気を消し床に就こうとします。その後シーンが切り替わり、妹の佳代が遊びに来るシーンにかわります。

 

 

ですので、実際に「夜の営み」が行われたかどうかははっきりとはわかりませんが、「夜の営み」が行われた示唆としては十分だという見方もあります。スタジオジブリ作品はもちろん大人も楽しめますが、基本的にこどもが楽しめるように配慮された作品が非常に多いです。そのため、今回の大人の関係をにおわせる生々しいシーンは珍しいと、ファンのあいだでは大変話題になりました。

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菜穂子のラストの「生きて」は、「来て」の予定だった

当初菜穂子は2回「来て」という予定でした。しかし、実際には前述のとおり1回しか「来て」と言っていません。その経緯について説明していきます。

 

 

まず、2回目の「来て」は「生きて」に変更されています。

 

 

「生きて」のタイミングは映画のラストシーンです。自分の作った飛行機は人を殺めるために使われ、日本は戦争に負けました。さらに妻の菜穂子は、行方をくらました末に、結核で亡くなってしまいます。

 

 

堀越二郎は基本的には「素晴らしい飛行機を作ること」しか頭にない人物ですが、さすがに罪悪感や悲壮感にさいなまれます。そんな時に堀越二郎は少年の時から心の中、もしくは夢の中で関わっていた「カプローニ」という憧れのイタリア人飛行機技師と、はじめてであった「草原」で話します。

 

 

堀越二郎やカプローニはこの「草原」は「地獄」と評しています。飛行機を作るということは、少年時代に憧れた夢ですが、実際に作ることは、間接的に人を殺めることにかかわることであり、戦時中の「呪われた夢」であるからです。

 

 

ここでカプローニは菜穂子のことをさし「君を待っていた人がいるよ」と堀越二郎に声をかけます。そこには菜穂子が。

 

 

菜穂子は堀越二郎に向かって「生きて」と言います。

 

 

堀越二郎は強く頷き、菜穂子に感謝します。

 

 

ここでの発言が「来て」になるのか「生きて」になるのかで示唆される結末が大きく変わりますね。

 

 

本来の「来て」の場合だと、菜穂子はすでに死んでいますから、堀越二郎が菜穂子のそばに「来て」しまえば、堀越二郎が死ぬということの示唆になってしまいます。

 

 

しかし変更後の「生きて」だと、死んだ菜穂子が強く堀越二郎に生きてほしいと、メッセージを送り、堀越二郎も生きていく決意をする、というラストになります。

 

 

庵野秀明が風立ちぬ、「来て」を「生きて」に変更した理由

この変更について堀越二郎役の声優、庵野秀明さんはインタビューで、

「そのセリフのままだと、死んで終わりみたいになっちゃうんです。ポニョと同じなんです。それでなんじゃこりゃ~と思ったんです。ポニョという作品で、あのラストはいいんだけど、今回もそれを続けると厳しいなと思っていたんです。違う答えを出すと思っていたんですが、また一緒かと感じてしまって。最終的に(宮﨑駿監督)が自分で這い上がって、生きていく方向になったので、それは、すごくうれしかったですね。」

と述べて居ました。

 

 

庵野秀明さんは、当初から菜穂子が「来て」ということで堀越二郎が死んでしまうことを示唆するラストに違和感を持っていたようで宮崎監督と秀明さんとの間で議論があったことが推察されます。

 

宮崎駿が風立ちぬ、最後に「来て」にした理由

宮崎監督は当初、「来て」にした理由をこう語っています。

「風立ちぬの最後については本当に煩悶した。最後の草原は一体どこなのだろう、(と考えた時)煉獄(天国へ行く前に罪を浄化する場所)であると仮説を立てた。カプローニも堀越二郎も亡くなっていて、(煉獄で)再会している。そういう風に思った。だから菜穂子はベアトリーチェ(天国の案内人)だ、だから「迷わないでこっちへ来なさい」という役ででてくるんだ、と。(中略)神曲なんてよむからいけないんですよね。」

つまり、ダンテの神曲に影響を受けて、ラストシーンの解釈をしたということです。菜穂子は美しいもの、または美しいものを作ることにしか興味がない堀越二郎を受容し、美しくあれる時間を最大限そばで過ごし、決して仕事に干渉することもありませんでした。

 

 

宮崎監督なりに2回の「来て」で物語としての整合性やまとまりをとり、堀越二郎のそばに寄り添った、どんな選択をしても堀越二郎の存在を許容する菜穂子の存在を当初は描きたかったのかもしれません。

 

 

その後、庵野秀明さんとの議論で、「生きて」から「来て」に変更されましたが、ファンの中での推論だと、庵野秀明さんのバックボーンが変更の強い決め手になったと言われています。

 

 

当時庵野秀明さんは前年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の制作に入れ込むあまり、自身の製作所に入れないくらいのうつ状態になりました。宮崎監督はそんなうつ状態の庵野秀明さんを堀越二郎の声優に抜擢しました。

 

 

もともと、宮崎監督と庵野さんは師弟関係にあり、庵野秀明さんは「断ることができない」と声優を引き受けることになります。

 

 

宮崎監督は、そんな庵野秀明さんに「作りたくなるまで休め」と電話口で励ましたこともあるようです。そのため、庵野秀明さんが息を吹き込む堀越二郎に対して、菜穂子が「生きて」と声をかけることで、庵野秀明さん自身に「生きて止まれ」というメッセージを送ったのではないでしょうか。

 

 

「来て」と「生きて」。たった一文字の変更ですが、キャッチコピー「生きねば」をより引き立たせ、すベての創作者、生きている目的を失った人に対して希望を与える素晴らしいラストになったと言えます。

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