ノーベル化学賞を受賞した野依良治博士が怒っています。
日本の教育に激しい怒りを覚えるとは、
いったいどういうことか?
ポイントをまとめました。
野依良治 怒り
出典headlines.yahoo.co.jp
野依良治 怒りのニュースは、次のように報道されています。
「教育の究極の役割は、人類文明持続への貢献だ。加えて、わが国の命運もかかっている。私はいまの教育と世相に大いに怒っている」――。2001年にノーベル化学賞を受賞し、現在は科学技術振興機構の研究開発戦略センター長を務める野依良治博士は、日本の未来、そして教育への危機感をあらわにする。令和の時代が始まったいま、ノーベル賞受賞者には日本の教育がどう見えているのか。教育新聞の小木曽浩介編集部長が聞いた。
出典headlines.yahoo.co.jp
野依博士 本気で怒っている
野依良治博士が何に怒っているのか?
教育と世相に怒りを覚えると言っています。
ではどの部分に怒りを感じるのか、
発言のポイントを拾っていきます。
■教育とは、
・個々の人々が豊かな百年の人生を送るため。
・国の存立と繁栄をもたらすため、人類文明の持続
である、と野依良治博士が言っています。
■日本の教育の現状は、
・入学試験に合格するため
・金持ちや権力者になるために
になってしまっている。
■世界と比べて日本の教育の問題点
・学びが消極的な点
を挙げています。
自分で深く考えずに、
教科書に載っていることをそのまま鵜呑みにしてしまう。
・感性と好奇心、反権力、反権威が必要
・好奇心を持って自ら問う力、考える力、答える力が落ちている
■なぜ日本の教育が考え力が落ちているか?
・社会全体を覆う効率主義、成果主義のせい
■日本は教育貧困国
・学校教育だけでなく、家庭、近所、地域、さらに産業界、あらゆるセクターの組織、あるいは人々が教育を支えるという気持ちになる必要がある
・全て先生が悪い、学校が悪いという風潮がまずい
■教育界はどうすべき?
・個々の若者に新たな社会環境を生き抜く力を与える
・国全体の知的資質と資産の最大化に努める
■多様性の尊重を
・日本は人の均質、均一化、画一性を求める傾向にあるが、
世界は多様性の時代になっている。
・これでは海外の優秀人材も確保できない。
■大学も主観の時代に
・大学側も安易な形式的公平性を排し、責任を持って主観的判断で学生を教育、評価する時代になるべき
野依良治 怒りに世間の反応は?
◆教育はお金持ちや権力者になるためのものじゃなくて、経済的にも精神的にも自立して生きていける能力と知識と身に付けるためのものだと思うんですよね。
国語を学ぶのは読み書きができるようになるためだし、算数は基本的な計算ができるようになるため、英語は外国人とコミニュケーションを取れるようになるし、理科は自然や科学の面白さを、地理や歴史は世界の成り立ちを知ることができる。
進学校や塾などの、〇〇大学に何人合格!という宣伝を見ると、なんだかなぁって思います。
◆教育と職業訓練を分けて考えないとね。
教育は、「良き市民(国民)としての必要知識・能力」だと思えば良いですね。日本という自由民主社会においては、それは「権威を疑う」ことこそが教育ですね。公立や行政に支配された私立学校でそれができるかがこれからの勝負ですよ。
良き市民にとって大事なのは、試験ではなく個性ですよ。
◆塾は学校じゃない、商売でやってます。
親からの需要に応えてるだけなんだよ。
◆自分さえ良ければそれでいい、難関大学を卒業した自分は特権を得て当たり前。日本の教育はそんなエリートを増産してしまった。霞ヶ関を見ているとよく分かる。
日本人には社会という概念が欠落している。
◆教育を論じる前に今の政治や日本の体制を考えてください。
今の社会で、教育だけを考えても、何も変わりませんよ。
「考えるな、体制に従え。そうでないと生きて行けない。」
政治家がこのザマじゃ、教育だけが変わりませんよ。
◆科学も資本主義に敗北したんだと思うよ。
金になる算段がないと、科学以前に人間自体が動かない社会になった。
資本主義がすみずみまで蔓延した結果でしょ。
結果、あらゆる場面で効率が重視される。
だれかに発見なり、製造なりさせて、それを横からパクったほうが効率いいもの♪
◆そういう意味でいうと今のセンター試験廃止などはまさしく改悪と言えるのかもね。点数で全てを決めるという点は据え置きのまま、民間試験なんていう経済力によってより機会に差が出るものを組み込もうとしている。あげく、国語の問題なんて、論理力よりも浅くでもいいから早く理解することを重視するという、まさに効率主義の権化みたいな改変を文科省という国の教育機関がやろうとしてるんだから。
まあ点数で全て決めるという点ではどっちもどっちなのかもしれないが。
◆高校教師です。今の生徒は疑問を持っても、自分で答えを調べることは二の次のことが多いです。まずは先生に聞く。もちろん質問を受ければ答えます。(調べてごらんといっても、ネットで検索しておしまい。間違った情報で誤解することも。)
こういったことも問題の一端だと思います。本で調べることをすれば、おのずと関連する内容が目に入り、知識が深まったり、視野が広がったりするものですが、答えを探すだけの質問やネット検索ではなかなか視野を広げられません。
と書いていると「職務怠慢だ」と言われるかもしれませんが、個々に調べ方を指導するような余裕はありません。これこそ小中学校からの積み重ね、さらには家庭などでどう過ごしてきたかによると思います。
点数や偏差値は数値で見える化しやすい指標ですが、受験などでそれに固執しすぎる風潮が引き金のひとつな気がします。
野依良治 怒り おわりに
教育は国の根幹ですが、
現在の日本の教育方針は戦後の先進国に追いつけ追い越せの時代から、
何も変わっていないのではないでしょうか?
時代にあった教育方針を打ち出そうにも、
決める側のお役人がそのような教育でのし上がってきた人間ですから、
既得権や成功体験を否定できないのだと思います。
ノーベル賞の大学教授が警鐘を鳴らすことで、
危機感をあおることがその一助になればと思います。
コメント